淡路屋のストロングゼロ
近所に淡路屋という酒屋があって、そこは昔懐かしい昭和の臭いがする出で立ちで、お酒やお米やスナック類が並べられている。たぶん、頼まれれば配達もするのだろう。エプロンをした親父さんが出たり入ったりしている。
コンビニやディスカウントストアの波に、とうに押し流されてしまいそうな…
古くさくてか弱い、地方にある酒屋の風情を漂わせている。
店内の棚は経済統制の国のようにたっぷりと空いている。
一見時代に取り残されたような感じがするが…その店が凄いのは
客が店内で勝手に飲み食いしていいことと
客同士の会話がとても居心地がいいことだ。
かくいう私も、その客の一人に誘われて行ったのだが、通りすがりに見過ごしそうな、ありきたりでかすんだ店構えの奥に、地域の人との心温まるふれあいという…何物にも代えがたい宝を秘めているのだった。
気分はこんな感じ♪
レジのカウンターの横に置かれた機械から出て来た280円の生ビールを楽しみながら、ビールをさり気なくおごってくれた人に、棚に置かれたカレー味のえびせんを210円で購入し、おつまみにしながら歓談する。
店内を見回し、前のお客が置いていったという段ボールの古本と、新入荷の純米大吟醸の新入荷にときめくことしきり!!!
作業服を着た常連さんから、近所に銭湯があって、その帰りにここで生を飲むのが格別だという話を聞き、酒飲みの琴線をわしづかみにされた。他にも「これおつまみに」と漬け物みたいなのを、手料理で持ってくるお客さんもいるらしい。
素晴らしい!
私はこの日、ストロングゼロにトリスとテキーラを入れて飲むと美味しいということを教えられ感動し、今夜はそれを自宅で試しているが、場所は変わっても美味しいモノは美味しいのだと…半分酔ってぼけた頭で感じている。
淡路屋はお客の、安価に酔いたいという希望に極力寄っていて、
お代官に黄金色のものを捧げるワルイ越後屋とは一線を画している。
さすがである!
人は自分の周りの人と繋がって安心していたいという、微妙な気持ちを持っているのだと思うが、
それを温かく包み込んでくれるような…
店はお客が育てるという典型のような…
不思議な空間だった。
この記事に猫は全く関係ない。
しかし、私が昨晩開けたトリスの蓋を、さっき子猫ちゃん達が楽しそうなおもちゃにしていたので、そうだ書こう!と思った次第。うっかり最後まで読んでしまった方には、ストロングゼロにトリスを入れて飲むことを、お詫び代わりに切にお薦めする。
カクテルみたいだから!