猫の谷のミネとルツ

ネコとウサギとこまったちゃんの穏やかな日々

『幻夜』と『白夜行』

 行きつけの飲み屋のママから勧められて、東野圭吾はあまり得意じゃないけど読んでみた。お客さんの本らしいんだけど。

 

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

 

 

クールな文体がキチッとした世界観と、イメージしやすい鮮やかな人物を描き出していく。最初の設定も引きつける。読み進めるうちにストーリーのその先も気になってきて、気づくとすっかり入り込んでいた。

 

ママが「読み始めたけど、これ前に読んだことがあったかもしれない」と言ったのは、もしかしたら『白夜行』と重なってしまったのではないかしら。

 

白夜行 (集英社文庫)

白夜行 (集英社文庫)

 

 過去を消す必要のある男女が都会に出て来て、男が女のために秘密裏に動いていくが、結局、男は身を滅ぼし、女が成功する…という図式がそっくり。

女の冷酷さと美貌と才気、それに引きづり込まれてしまう周りの人々…という構図も。

 

白夜行」の続きが「幻夜」という見方もあるようだ。

 

どちらも夜の世界を密かに歩いているイメージなのね。

本を貸してくれたママも夜の女だけど、明るくて気っぷのいい気持ちのいい人で、子連れ再婚も果たして円満に暮らしている。